うちの会社は社員とパート合わせて50人に満たない小さな企業だ。
遅刻・欠勤の連絡は勤怠報告用アドレスにメールするんだけど、
全員がそれを共有できるようになっている。
毎日誰かしら遅刻して来る。
私は遅刻したことはないが、まぁかなりギリではある。
早い時でも始業時間8分前、遅い時は1分前といったところだ。
ある日朝礼で社長が言った。
「出社時刻にその人のすべてが現れる。
ギリギリの奴にいい仕事ができたためしはないし、遅刻はもってのほかの問題外。
自己管理できない者を抜擢することはないからね!」
・・・・・早起きはいいことだよ。それはわかる。
でも果たして「すべて」だろうか?りぽうは疑問に思った。
朝礼が終わってから疑問をぶつけようとキョロキョロしてみたが、誰も目を合わせない。
仕方ないので、引き出しから肝油ドロップを食べてた男に近づき声をかけた。
「係長!あの~」
「りぽう。他を当たってくれ。俺は始業前に来てれば問題ない。」
・・・・・ちっ
偉い人の話についてはいつも誰も語りたがらないのな。
それから勤怠連絡用メールに遅刻があがってくる件数は激変した。
社長の苦言は効果あるもんだなぁと少し感心。
でも出社時刻が「すべて」かなぁ。
そうは思えないりぽうだった。